改正労働安全衛生法による「ストレスチェック制度」施行日(平成27年12月1日)まであと6ヶ月を切りました。
こういう制度まで法律化されてしまう時代になったのですね。

さて、この制度についての詳細は厚生労働省のHPにお任せするとして、ここでは極力簡潔にポイントだけを記載したいと思います。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/kouhousanpo/

<ポイント1>
対象となるのは「従業員50人以上の事業場」です。
従業員にはパートやアルバイトも含まれます。

50人未満の場合は当分の間、あくまで「努力義務」です。実施しなくても問題ありません。
また、あくまで従業員の数は「事業場」ごとに数えます。企業全体ではありません。
例えば、本社に40人、支店に20人であれば、事業場ごとの従業員数が50人以上ではないので、実施しなくても問題ありません。

<ポイント2>
ストレスチェックの対象となるのは従業員全員ではなく、正社員および正社員に近いぐらい働いているパートさんなどです。

正確に言うと、次の要件(1)(2)をいずれも満たす従業員です。
(1)期間の定めのない労働契約により使用される者
なお、期間の定めのある労働契約により使用される者であっても、当該契約の契約期間が1年以上である者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含みます。
(2)その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上である者

<ポイント3>
ストレスチェックは毎年1回行わなければいけません。

<ポイント4>
ストレスチェックを実施できるのは、以下のいずれかの者です。
1.医師
2.保健師
3.一定の条件を備えた看護師又は精神保健福祉士

ポイント1を満たす事業場には、もともと「産業医」の選任義務が課されているので、その産業医がストレスチェック実施者となるのが望ましいです。

<ポイント5>
事業者にはストレスチェックの実施義務が課される一方、その結果内容については従業員の同意がなければ知ることができません。
ストレスチェック実施者(ポイント4)もあらかじめ従業員の同意を得ないで、検査結果を事業者に提供することを禁じられます。

<ポイント6>
ストレスチェックの結果、「高ストレス状態」にあると判定された従業員から申し出があった場合、医師による面接指導を受けさせなければいけません。

以上、大きなポイントを記載しました。

要するに「うつ病の予防対策」ですね。
今後、うつ病を発症した従業員からの訴訟等において、ストレスチェック義務のある事業場でストレスチェックを適切に行っていたかどうかも労基署や裁判所などの判断に少なからず影響を及ぼしていくでしょう。

それにしても、確かにうつ病対策は社会問題として重要であることは疑いありませんが、事業者にここまで法律として対応を義務付けられてしまうのも、何とも厳しい時代になったと感じざるを得ません。

※ 本投稿は投稿日現在に得られた情報等をもとに記載しております。投稿日以降の法改正や関係省庁の通達等により適切でなくなる場合がございますので、あらかじめご了承下さい。