パートタイマーでも有給休暇が法律上当然に付与されるというのは、もはや周知の時代となりました。
しかし、見落としがちなポイントがあります。
それは、「何日分発生するか」ということです。
この点につき、「比例付与」という考え方があることも常識の時代となりました。
しかし、この比例付与日数につき、見落としがちな点があります。
それは、発生する日数は「契約更新時、今後の所定労働日数が変わるときは、その日数を基準として有給休暇日数を付与すべき」ということです。
例えば、(1週間の総所定労働時間は30時間未満として)週4日労働しているような場合、通常であれば雇い入れ日から6ヶ月経過すると有給は7日分発生します。
これは、「今後1年間も変わらず週4日労働する」という労働契約を交わした場合です。
これが、週4日ではなく(本人の事情等により)今後1年間は週3日労働するという労働契約に変わる場合は有給休暇付与日数は5日分しか発生しません。
逆に今後1年間は週5日労働するという労働契約に変わる場合は10日分が発生することになります。
つまり、有給休暇の権利自体が発生するのはそれまでの過去1年間(新規雇い入れ時は6ヶ月ですが)の出勤率が8割以上をクリアしているということが条件となるわけですが、
何日分の有給休暇が発生するかという点においては、今後1年間の所定労働日数が何日であるか?ということによって変わると言うことです。
所定労働日数(の見込み)がずっと変わらないのであれば気にする必要はないのですが、明らかに所定労働日数が変わるのであれば注意が必要です。
例えば、正社員として週5日働いていた人が定年退職し、その後に継続して定年再雇用となる場合、週所定労働日数が定年再雇用後も週5日勤務ということで変わらないのあれば、これまでどおり20日分を新規に付与すればよいのですが、定年再雇用後は本人の希望で週3日勤務に変わるというのであれば新規に付与するのは11日分だけでよいということになります。
この観点を見落とすと、有給休暇の新規付与日数が足らなかったり、多過ぎたりすることにつながることになります。