派遣労働者が派遣先の事業場で労災事故(業務上の怪我など)に被災した場合、労災保険は派遣先と派遣元のどちらの保険を使うことになるでしょうか?
何となく、実際に怪我をした派遣先の労災保険を使うことになるような気がしないでもないと思いますが、答えは派遣元の労災保険になります。
その理由は、
(1)派遣労働者と労働契約を締結しているのは派遣元事業主であり、使用者としての災害補償責任を負っている。
(2)派遣元事業主は派遣労働者の派遣先を選択できる立場にある以上、労災事故が起きた派遣先会社を選んだという責任がある。
といったものです。
では、派遣先で労災事故が起きたとしても、派遣先としては労災保険の手続き上、何もしなくてよいのかと言うとそうではありません。
(派遣元事業主もそうですが)派遣先事業主も「労働者死傷病報告」という書類を作成して、労働基準監督署に提出しなければなりません。
このあたりは派遣元会社が派遣事業を行っている会社として当然のごとく知っていることなので、派遣先の会社としては派遣労働者に労災事故が発生したら速やかに派遣元会社に報告すればよく、あとは派遣元会社がいろいろと対応方法を教授してくれるはずです。